The Never Ending Story |
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「ネバーエンディングストーリー」 1984年 アメリカ
「ベタだなぁ」って言われそうだけど、 あえて。 いい映画だし、最近こういう映画ないから。 物語はいじめられっ子で気弱な主人公バスチャンがいじめっ子に追われ、 逃げ込んだ古本屋で「果てしない物語」という一冊の本を見つけることから始まる。 テーマは「想像力」と「無」。 本の中に登場するおとぎの国ファンタージェンには、 不思議な動物がたくさん住んでいる。 幸運の白い竜ファルコン。岩を食べるロックバイター、亀のモーラ。 本のページをめくるたびに、物語が広がっていくという設定がいいよね。 人間の自由で豊かな想像力によって生み出された不思議な世界が、 近年の文明の発達につれ想像力を失った人間の「無」によって侵食されていく・・・。 その「無」に勇敢に立ち向かっていく勇者アトレーユ。 物語の途中で、大亀のモーラが話す言葉が印象的。 「わたしにとっちゃ、どうでもいいことだけど」 世の中のほとんどの出来事はそうかも知れない。 大人になるたび、そう思えることは増えてくるかも知れないよね。 でも、そこから逃げないで、目をそらさないで、あえてぶつかっていくことが、 物語がはじまるきっかけなのかも知れない。 アトレーユがそれを教えてくれる。 彼は物事から決して逃げていない。 だから時々悩んだり、落ち込んだりする。 でも、そこがいい。 人生はきっと「ネバーエンディングストーリー」なんだよね。 最後のシーンで象牙の塔に住む女王は 「私に好きな名前をつけて」 そう主人公バスチャンに頼む。 でも気弱なバスチャンはこう答えてしまうんだ。 「わからない」「できないよ」 バスチャンはいつも周りに気を使ってばかりで、 正解かどうかを人の表情をみて決める子なんだ。 こういう子っているよね。 そこで女王は言う。 「何でもいいの」「自分の思ったとおりに」「お願い・・・」 思い立ったバスチャンは精一杯の声を張り上げて叫ぶんだ。 自分の一番好きだった人の名前を。 その瞬間がこの物語の一番のハイライト。 そう。 それでいい。 自分の人生なんだ。 好きなようにめいいっぱい満喫すればいい。 もともと正解なんて、どこにもないんだから。 バスチャンが想像力をもって叫んだ瞬間から、再びファンタージェンは現れる。 白馬に乗ったアトレーユ、白い竜のファルコン、ロックバイター。 みんな笑顔で手を振っている。 最後にバスチャンが白竜ファルコンに乗って、いじめっこをやっつけてしまうシーンは まさにガッツポーズ! 本を読むことの大切さ。 そして「想像力」。 この映画とともに、 いつまでも大切にしていきたいものですね。 ![]() ![]() |